
時には、店舗のような遊び心を住まいに。時には、住まいのようなくつろぎを店舗に。型にはまらない自由な発想と、ワン・オフ(一度きりの製造)で製作するアドリブ感たぷっりの特注仕様。それが八重製材所のものづくりです。
完成形というものは無いし、打合せが始まってみないと分からない。決して奇をてらうわけじゃないけどフェンスやブロック塀のようなラフな要素こそが住みながらアレンジしていける余白だったりする。だから、おもしろい。
大切なのは定石やルールではなく、心で感じるバイブレーション。“造るを楽しむ”、そして“住むを楽しむ”私たちとセッションしませんか。
合板がむき出しになった天井、下地材に塗料を 塗っただけの壁、露出した電気配線など、あえて仕上げを省いたラフなテイストからは、ダイナミックな躍動感すら感じられる。
頑強なブロックと棚を吊るロープのラフなブレ感の対比が、空間に自由な楽しさをプラス。
1階を店舗にしたため、居住スペースはすべて2階に設計。LDKを中心に、奥が寝室、手前が子ども部屋になっている。一見無造作に見えるラフなテイストだが、木を効果的に使うことで温かみのある空間に仕上がった。
金網フェンスを一部に使ったシューズクローク。道具をしまう場所だからこそ、かえってシンプルさがかっこいい。
階段室は構造用合板を全面に使用。合板の柄やスタンプもそのままデザインとして活用。
子ども部屋には黒板塗料を塗った壁がある。子ども達にとっても最高の家なのは間違いない。
子ども用の机も八重製材所で製作。成長とともにカスタマイズしていけるシンプルなものを提案。
キッチンの個性を受け止められる大きめのタイルを選択。目地をグレーにすることでスマートな印象に。
モルタルの床に業務用のキッチンをセット。機能的で掃除が簡単なのがいい。住まい全体のラフな印象にもうまく溶け込んでいる。
新居の1階部分に美容室をオープンされたW邸。住居スペースのロックなテイストに対し、店舗スペースは少しキレイ目な要素を加えてある。
同じラフスタイルでも、アレンジによって印象は全く異なる。こうしたフレキシブルさがラフの本質であり、何かに縛られたりしない自由な心地よさを生み出す源泉だろう。
外壁に用いられたものと同じ板が店舗内にも使われており、外部からの連続性を持たせたデザインになっている。
ややグレーがかった白で塗装されたシックな内装。わざと配線や配管を取り付けた後に塗装をすることで、リノベーションしたようなUSED感が生み出された。それがリラックスできる雰囲気を醸し出しているようだ。
サロンスペースからチラリと見えるバックヤード。あえてサロンとは違う硬質な素材感をのぞかせることで、エッジの効いたアクセントになっている。
自然光をたっぷりと採り入れながらも、外からの視線を通しにくくしたウィンドウ。カットスペースの両サイドにレイアウトされており、爽やかな開放的な心地よい。
リラクシングスペースは、レイアウト変更も可能な建具で程よい包まれ感を持たせてある。梁から吊された建具の浮遊感もおもしろい、どこかアーティスティックな空間になった。
「Warehouse(倉庫)」とネーミングされる個性的な外観。既成概念から解き放たれた象徴でもあり、何でも受け止めてくれるラフの包容力をイメージした姿でもある。
1階部分は店舗ということも考慮して、親しみやすい板張りの仕上げに。正面左側が住居部分の玄関だが、レタリングで生活感をうまく消してある。
右側が店舗の入口部分。シンプルな造形ながら、温かみを感じるエントランス。柔らかでやさしい感じは、オーナーであるWさんの人柄とリンクする。完璧さや整えられた美しさとは対極のラフスタイルには、隙であったり間があったりする。そこに自分たちでアレンジを加え、思い出を重ねていく。そんな“住むを楽しむ”暮らしがラフの魅力だ。
住まいはもっと自由であっていい思うし、もっと使い手の個性が出ていいと思う。その本質は住居も店舗も変わらないはずだ。
